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2010年11月 9日 (火)

鈴木さんの氏神

「全国の鈴木さん いらっしゃい 藤白神社」──社頭にこんな幟がはためいています。そう、ここ藤白神社こそは「全国の鈴木一族の氏神」なのです。
 全国で二番目に多い「鈴木さん」は総数二〇〇万人以上。そのルーツは、紀州熊野です。とりわけ藤白の鈴木氏の流れを汲む者が多いとされます。
 熊野の鈴木さんは神武天皇の時代から続くとされる旧家で、一二二代目にもなる古い由緒のある家柄。熊野詣でに行く上皇や宮廷貴族の案内役を代々務めてきた氏族です。
 ここから鈴木姓が全国に広がったのは、熊野信仰を広めるためでした。各地に熊野神社を勧請し、その祀官も務めました。それにあやかって鈴木を名乗る人たちも周囲に生まれていったというわけです。また、熊野水軍として全国の沿岸地方に広がったともされています。
 藤白神社は、七世紀に斉明天皇の白浜行幸の際に社殿が建立されたいという古社で、鈴木氏が代々宮司として奉仕した熊野王子社です。古称を藤代王子、「熊野九十九王子」の一つです。
「王子」とは、熊野権現の分霊を祀った神社のことで、熊野詣での人びとは街道筋の要所に連なる王子社を順番に参拝しながら、熊野三社を目指します。藤白には「熊野一之鳥居」があって、ここが熊野の入り口とされています。
(中略)
 代々神職であった鈴木家は、今は神職を離れていますが、その住まいであった建物は神社のすぐそばに「鈴木屋敷」として残っています。
 熊野詣はたいへん盛んでしたが、歴代の天皇や上皇も熱心で、とくに後白河法皇や後鳥羽上皇は数十回におよぶ熊野御幸をおこない、そのつど藤白で滞在されたと伝えられます。
 また、源義経の家来だった鈴木三郎重家と弟の亀井六郎重清は、藤白の鈴木さんの一族です。義経と二人のお墓が近くの浄土寺に残っていますので、せっかく参詣されるなら、どうぞそちらへもお参りを。
 鈴木氏は本姓を穂積氏。穂積とは積まれた稲穂のことで、熊野地方ではススキと呼んだところから後に鈴木の字を当てたとされています。孝昭天皇のとき熊野権現が竜に乗って千穂の峯に降臨。そのとき迎えに出た三人の兄弟のうち、鈴木の祖・三男基行は稲を献上したので穂積姓を賜わったとのこと。鈴木氏の本姓が穂積氏である由来です。藤白鈴木氏のほかに、雑賀党鈴木氏、三河鈴木氏など。(『氏神事典』河出書房新社 より)

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