« 追悼 赤塚不二夫さん | トップページ | 72夜ブックレビュー 『カリスマのつくり方』 PHP新書 »

2008年8月18日 (月)

71夜 東儀秀樹が孝明天皇だって?──宮内庁は黙殺か

『篤姫』で、孝明天皇を東儀秀樹が演じている。
東儀家が宮内庁の楽部に仕える家柄なので、おおかたそこからの発想だろうが、とんだキャスティングだ。
NHKが見当違いしているのか、それとも意図的なのかはわからないが、一般視聴者の誤解を招くかもしれないので、ひとこと言っておく。
東儀家は古くから雅楽奏者として朝廷や幕府に仕える家柄であるが、公家ではない。
といって、武家の家柄でもなく、それら「階級の外」の家柄である。
楽師として仕える者は、下級官であり、渡来人の専門職である。
明治以降は平民に組み込まれた。

そもそも役者というものは、何を演じてもかまわない。
河原者の歌舞伎役者が、舞台の上では皇族にも武士にも化ける。
とはいうものの、東儀秀樹は役者ではないのだ。
その素人が孝明天皇にキャスティングされたのは、「宮内庁の楽人の家系である」という理由のみに因るのだろう。
「話題づくり」というやつだ。
専門の役者にいくらでも適役はいるだろうに、NHKもあざといことをするものだ。

「演ずる」となれば、当然ながら東儀秀樹の顔や発声やたたずまいについて評価しなければならない。
「宮内庁つながり」だけで許容するわけには行かないだろう。

彼の口元が歪(ゆが)んでいるのは楽器を吹奏する者の宿命なので、ある程度は仕方がない。
いまにも喰ってかかりそうな、文句を言いたそうな口元は、後天的な所以もあるだろう。
しかし、彼の目付きの悪さは人相としてちょっと珍しいくらいのもので、同様の暗さ、凶気を見いだすには、普通の生活者の中ではまず無理だろう。
どんなDNAがこの顔貌をつくり出したのか、想像で言うのはここでは避けるが、結果責任というものは「顔」にもあるのだ。
彼の下手な演技はさておくとしても、この陰険凶悪な顔貌はどうみても孝明天皇の配役にはふさわしくない。
和宮に聞かせるべく、お得意の篳篥(ひちりき)を吹奏してみせるのはご愛敬だが、なるべくなら御簾の中からもう出てこないほうがいいだろう。

──この配役も、宮内庁は例によって黙殺するだけだろうが、言うべきことを言わずに「野放し」にしていることが、どれほど天皇家を貶(おとし)めているか、宮内庁はしっかりと認識しなければならない。

|

« 追悼 赤塚不二夫さん | トップページ | 72夜ブックレビュー 『カリスマのつくり方』 PHP新書 »

戸矢の意見」カテゴリの記事

コメント

宮内庁の楽師さん達も色々と家庭に事情がありまして・・・・

只、世の中はそんなものですよ、

彼の音を素晴らしいと感じる、

人達だから・・・・

今の、宮内庁の楽師もダラシナイが。

投稿: やきとり | 2008年9月21日 (日) 10時44分

そうだったんですか。知りませんでした。

それにしては、あの男、偉そうにしてますねえ。
楽師の方々も何か言ったらいいのになあ。
このままでは、東儀秀樹は宮内庁楽師の中でもエリートのようですよね。

投稿: 戸矢です | 2008年9月21日 (日) 07時16分

わちきは、TVは基本的に見ないので・・・

『篤姫』成る、ドラマは知りませんが、

宮内庁の楽師に友人がおりますので少し、

東儀秀樹の事は多少知っておりますが・・

「秀樹」は東儀家でも分家であり、 
苗字を母親の実家の名前に戻してごり押しで宮内庁の楽師になり、10年そこそこで才能無く途中でやめ、旨くマスコミを渡り歩いておるだけです。

weep

投稿: やきとり | 2008年9月20日 (土) 20時02分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/517692/42202332

この記事へのトラックバック一覧です: 71夜 東儀秀樹が孝明天皇だって?──宮内庁は黙殺か:

« 追悼 赤塚不二夫さん | トップページ | 72夜ブックレビュー 『カリスマのつくり方』 PHP新書 »