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2008年4月22日 (火)

34夜ブック・レビュー 『金沢;酒宴』 (講談社文芸文庫)

金沢;酒宴 (講談社文芸文庫)

これこそが本領!
                  

 吉田健一氏といえば、まず「美食家」として知られていて、これで人気が出たのは、みんなが親しむきっかけとして悪くはないが、せっかくだから、その後にぜひ「小説」にたどりついてほしいものです。
 氏は翻訳者としても多くの業績があり、随筆家としても一流には違いないが、小説作品をどれか一つでも──とりわけ本書収載の作品を読むと、根底から評価がくつがえること請け合いです。
 その作品群は他の誰も書くことのできない、独自のスタイルをきわめたもの。
 ときにセンテンスが長いのは、翻訳を手がけてきた所為もあるかもしれないが、この文体でなければ、この「時間感覚」を書き切ることは難しいのかもしれない。何作か読んで馴染んでくると、一種の中毒症状をきたしますね。自分で書くときに、つい真似をしてしまう。
 あなたも、ぜひ、真似た文体で何事か綴ってみてください。
 これは、一種の「快感」です。

金沢;酒宴 (講談社文芸文庫)

著者:吉田 健一

金沢;酒宴 (講談社文芸文庫)

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