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2008年2月19日 (火)

19夜ブック・レビュー『食味風々録』 (新潮文庫)

食味風々録 (新潮文庫)

感想:
阿川佐和子さんの父上と紹介されるのがおもしろくないと、最近のインタビューで言っておられましたが、
そういう表現が巧まざるユーモアになっているのが氏の強みかもしれません。
本書の刊行直後に文化勲章を受けられて、本書で初めて氏の文章に接したひとは驚いたと思います。
書名からは想像もつかない軽妙さは、実はもう一つの本質なのですね。

いわゆる「大家」の書く食物談義のたぐいは、だいたいが「美食」になるか、
さもなければ開き直った「B級C級グルメ」なのですが、
本書はどこまでも「自然体」で、頭が健康になる感じです。

文学のヌーベル・バーグといわれた「第三の新人」も次々に世を去って、
ずいぶん世の中は変わりましたが、
あの時の魅力の本質の一端が、今になってようやくわかったような気がします。
小説でもなく、「阿房列車」でもなく、本書こそは氏の代表作と、勝手に思っています。

食味風々録 (新潮文庫)

著者:阿川 弘之

食味風々録 (新潮文庫)

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