「氏神」とは何か?
氏神とは、読んで字の如し、「氏の神」ですから、本来的には「氏族一族の祖先神・守護神」のことです。
たとえば藤原氏を例に採ると、祖先神は天兒屋根命(アメノコヤネノミコト)と比賣神(ヒメガミ)、守護神は武甕槌命(タケミカヅチノミコト)と經津主命(フツヌシノミコト)です。これら四神が氏神であり、それらの四神を祀った神社である春日大社が氏神社ということです。
ところが時代がくだるにつれて、その土地を守る産土神や鎮守神と氏神とが混同されるようになりました。
現在一般に、「氏神/氏子」と言っているのは、正しくは「地域の産土神」もしくは「地域の鎮守神」のことであり、その氏子とは「祭りに参加する地域住民」のことです。地縁でつながる人々と地縁の神であり、血縁ではありません。
つまり、本来の意味での「氏神/氏子」ではないということになります。
個人的な見解としては、地縁氏神については他の言葉を使うべきであると考えています。
これらの「地域の産土・鎮守神」が、そのまま氏神になっている人もいますが、現実的には少数です。
たとえば、奈良市春日野町に居住している藤原さんという人がいるなら、地域の鎮守神である春日大社がそのまま氏神でもあります。
しかしそういう人は少数でしょう。
したがって、あなたの本来の氏神は、自分の血統がどの氏族の流れを汲んでいるのかで判明します。
古い由緒をもつ氏族であれば、『新撰姓氏録(しんせんしょうじろく)』で祖先神を確認することができます。『新撰姓氏録』とは815年に編纂された古代氏族名鑑で、現在の日本人の源流となっている氏族1182氏が収録されており、その祖先・祖神を明記しています。
──それが、氏の神、です。(この項、問い合わせが多いため再録)参考『氏神事典』河出書房新社
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